この記事でわかること
機械式リレー、ロジックICセルを使った、シーケンス回路を紹介します。
状態遷移図を使い、警告灯の動作を説明します。
シーケンス制御の簡単な説明は、ここを参照。
この記事では、機械式リレーと無接点リレー(ロジックICセル)使った、警告灯制御回路 例を紹介します。(PLC、マイコン(ハード回路+ソフト)制御については紹介していません。)
本回路は、【シーケンス制御をハード回路で実現】シリーズの回路例編として、投稿しました。
本シリーズは、他に
・機械式リレー、ロジックICセル 論理演算回路編
・ラッチ回路シミュレーション編
が有ります。
動作内容
基本動作:
2つのエラー(ERR1・ERR2-input)のどちらか、又は両方発生”H”レベルの時、警告灯 点灯 。エラーが解消されて”L”レベルになっても警告灯は点灯を保持、警告灯OFF信号(C-input)”H”レベルになって警告灯が消灯になります。
エラー発生(ERR1・ERR2-input)と警告灯OFF信号(C-input)が同時の場合は、エラー発生を優先します。
エラー発行については、インターロック回路では有りません。
(ERR1・ERR2-inputの優先順位の制御は、エラー発行元で行う事を前提としています。)
状態遷移図
警告灯 点灯/消灯の状態遷移図を、下記に示します。
ERR1-input:警告灯を点灯するエラー要因信号1。”H”レベル エラー発生
ERR2-input:警告灯を点灯するエラー要因信号2。”H”レベル エラー発生
C-input:警告灯をOFFにするクリアー信号。”H”レベル 警告灯 消灯設定
- 警告灯 消灯状態からは、”エラー発生”により、警告灯 点灯状態に遷移します。
- 警告灯 点灯状態において、”エラー修正”を行います。
ERR1-input/ERR2-input=”L”レベルとなります。 - 警告灯 点灯状態において、C-input=”L”レベルのままでは、警告灯状態は遷移しません。
(警告灯 点灯を”状態保持”) - 警告灯 点灯状態において、”警告灯OFF設定”(C-input=”H”レベル)により警告灯 消灯状態に遷移します。
エラー発生(警告灯 点灯)と警告灯 消灯は、エラー発生の警告灯 点灯が優先すること。
エラー発生(ERR1・ERR2-input)の優先順位の制御は、行っていません。
回路
機械式リレー
機械式リレーを使った警告灯制御回路を下記に示します。
RLA:A接点機械式リレー
PLA2:A接点 2極機械式リレー
RLB:B接点機械式リレー
D:ダイオード
警告灯:例えば、積層信号灯
VDD1:積層信号灯の電源。例えば、DC12V/DC24V
VDD2:例えば、DC12V/DC24V
GND1:VDD1のグランド
GND2:VDD2のグランド
回路の動作説明
機械式リレーの論理演算 OR、ANDと SR-Latch回路、警告灯から構成しています。
機械式リレーのコイル部には、ダイオードを接続しています。(コイルサージ吸収用ダイオード)
下記回路に追記した図で動作を説明します。
エラー発行⇒警告灯 点灯
① 赤色・矢印:
ERR1・ERR2-inputどちらか、又は両方”H”レベルの時、OR回路のRLAコイル通電・A接点閉。AND回路のRLBコイル通電・B接点開により、この時C-input入力レベル無効となります。
SRーLatch回路のRLAコイル通電・A接点閉、RLA2コイル通電・2極のA接点閉となり、警告灯は、点灯します。
警告灯 点灯保持
①’ 緑色・矢印:
SRーLatch回路RLAコイル通電・2接点閉から、自身(RL2A)のコイルを通電して、警告灯 点灯の状態を保持します。
警告灯 消灯
② 青色・矢印:
ERR1・ERR2-inputが”L”レベルの時、OR回路のRLAコイル通電無・RLA接点開となります。AND回路のRLBコイル通電無・B接点閉、かつC-input入力”H”レベルの時、SR-Latch回路のRLBコイル通電・B接点開となり、PLAとRLA2コイル通電無・接点開となり警告灯 消灯になります。
Latch回路の基本動作は、ここ参照。
ロジックIC
ロジックICセルを使った警告灯制御回路を下記に示します。
D-latch:セット、リセット付きD-latchセル
使用頻度が高いため、本セルを採用
NOR:ロジックICセル、論理演算ORの出力にインバーター機能
NAND:ロジックICセル、論理演算ANDの出力にインバーター機能
INV:ロジックICセル、論理演算インバーター
Schmitt trigger:ロジックICセル、論理演算シュミット インバーター
ターンオン/ターンオフ時間が長い入力信号に対応
Tr:トランジスタ スイッチ。例えば、型式:2SC1815
R:抵抗
抵抗値については、
投稿記事 ”DC24V 4Hzパルス回路設計(ソフト版)”の”DC3.3V→DC24V 4Hzパルス スイッチング回路 スイッチングTrとフォトリレー”が参考となります。
警告灯:例えば、積層信号灯
VDD2:ロジックIC電源。例えば、DC3.3V/DC5V
VDD3:警告灯の電源。例えば、DC12V/DC24V
GND:共通グランド
回路の動作説明
本回路は、シュミットインバータ、トランジスタスイッチTr、抵抗R、ロジックICの論理演算回路 NOR、NAND、と D-latch回路、警告灯から構成しています。
入力信号(ERR1・ERR2・C-input)のトランジスタスイッチTrの出力をシュミットインバータの入力に接続しています。(下記回路の*1部)
理由:
ロジックICセル内信号のターンオフ/ターンオン時間に比べ、トランジスタスイッチTrの時間が長いため、シュミットインバータで受けて、出力信号を安定にさせます。
下記、回路に追記した図で動作を説明します。
装置立ち上げ時、警告灯制御装置の初期設定
(ロジックICのラッチセルには、出力レベルを安定にするために必要です。)
① 黒色・矢印:
C-input “H”レベル かつERR1・ERR2-input共に”L”レベルの時、D-latchセルの出力(Q=”L”・/Q=”H”レベル)を初期設定します。
エラー発行⇒警告灯 点灯
② 赤色・矢印:
ERR1・ERR2-inputどちらか、又は両方”H”レベルの時、D-latchセル/P入力”L”レベル・アクティブとなり警告灯を制御するトランジスタスイッチTrに”H”レベル入力、Light-ONになります。
警告灯 点灯保持
ERR1・ERR2-inputのエラーを修正”L”レベル、かつC-input “L”レベル
(D-latchセルの入力(/P・/C)共に”H”レベル)の時、状態の保持します。
(この場合は、警告灯 点灯状態)
警告灯 消灯
③ 水色・矢印:
C-input “H”レベル かつERR1・ERR2-input共に”L”レベルの時、D-latchセル/C入力”L”レベル・アクティブとなり警告灯を制御するトランジスタスイッチTrに”L”レベル入力、Light-OFFになります。
コメント