実践:TINA-TI 回路シミュレーション

エレキ設計

※TINA-TIは、Texas Instruments および DesignSoft, Inc.の商標です。
本報告で使用しているTINA-TIのバージョン”9.3.150.328 SF-TI”です。

この記事でわかること

本投稿は、”DC24V 4Hzパルス回路設計(ソフト版)”のトランジスタースイッチング機能の回路シミュレーションを詳細に紹介します。

回路シミュレーションの目的

  • トランジスタースイッチング機能 ON/OFF確認
  • トランジスタのベース電流IBとコレクタ電流ICのシミュレーション値確認

シミュレーション用回路作成

シミュレーション用回路

トランジスタのスイッチング機能のON/OFF確認するため、
元回路から、シミュレーション用に置き換えた回路を、下記に示します。

”DC24V 4Hzパルス回路設計(ソフト版)”
4Hzパルス スイッチング回路図

回路シミュレーション用回路図

電圧ジェネレータVG1の設定

PIC16F1778のI/Oポート出力仕様の抜粋
I/O port仕様:出力タイプCMOS(General purpose I/O)VDD=3.3V Standard I/O port

項目記号単位備考
ハイ出力電圧VOH2.6(Min)VT2トランジスタへのハイレベル(Min)の
入力値VOH=VDD-0.7V=3.3V-0.7V
ハイ出力電IOH3mAマイコンから出る電流値
ロー出力電圧VOL0.6(Max)V
ロー出力電IOL6mAマイコンに入り込める電流値
出力ポート
立上がり
時間
TioR15(Typ),
32(Max)
nSVDD=3.3V
出力ポート
立ち下がり時間
TioF15(Typ),
30(Max)
nSVDD=3.3V

注意:仕様値は、使用するポート数により変わります。

上記、仕様から、VG1値を設定しました。

TINA-TIの”回路図エディタ”の図面
”VG1セル”を左ダブルクリック→”VG1-電圧ジェネレータ”の”任意波形”を左クリックで
下記表示と設定

A1:ハイ電圧VOH=2.6(Min)
T1:立上がりTioR=15ns(Typ)
T3:立ち下がりTioF=15ns(Typ)

回路シミュレーション波形

“過度解析”のシミュレーションを行いました。シミュレーション実行方法はこちら参照

実行した波形を示します。

ICの波形により、
・スイッチングON時、99mA。
・スイッチングOFF時、0Aが確認出来ます。

結果

波形結果から、IBR,IB,ICを下記表にまとめました。

項目VOH
[V]
IBR
[mA]
IB
[mA]
IC
[mA]
スイッチ
機能
備考
シミュレーション2.60.890.8199.4ONVG1:PB0ポート”ハイ”出力
シミュレーション0000OFFVG1:PB0ポート”ロー”出力
①部波形:
IBR,IBは、マイコン側に過度的
に0.5mA(Max)流れ込みます。

上記、スイッチング回路は、回路シミュレーションを実行してスイッチング機能に問題無いことを確認しました。

目的に無かった確認内容

上記、波形の①部ドライブ側(実回路では、PICマイコンRB0ポート)に流れ込む電流IOLです。
仕様 IOL 6mA(Max) >IB 0.5mAで有る事が確認出来ます。

参考として、仕様値は違いますが、同じCMOSとして、シンク電流(ドライブ側に流れ込む電流IOLについて説明したデータシートを下記に示します。

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