フォトリレーと電磁開閉器の基本回路

エレキ設計

この記事でわかること

フォトリレーを接続した電磁開閉器を制御する基本回路図を示します。
使用している、部品の簡単な説明を行います。
本回路の動作説明を行います。
電磁開閉器は、モーターやコンプレッサー等のON/OFFを制御出来ます。

フォトリレー回路部の詳細は、投稿記事 ”DC24V 4Hzパルス回路設計(ソフ版)”の”DC3.3V→DC24V 4Hzパルス スイッチング回路 スイッチングTrとフォトリレー”を参照

フォトリレーと接続した電磁開閉器

基本回路

フォトリレーと電磁開閉器・モーターの回路を、下記に示します。

VDD1:電磁開閉器の電源 (例えば、DC24V)
VDD2:トランジスタ、フォトリレーの発光側の電源(例えば、DC3.3/5V)
GND1:電磁開閉器系のグランド
GND2:トランジスタ、フォトリレーの発光側系のグランド

A-input入力回路部(Trと繋がるフォトリレー)は、Tr-ON/OFF関係無く(常時)、電流が流れる回路となっています。
これにより、消費電流に影響が有ります。
別回路として、フォトリレーとTrを直列接続をして、フォトリレーの受光側-ON/OFFを制御する事も出来ます。ここを参照

電磁接触器の
 L1・L2・L3:一次側電路
 T1・T2・T3:二次側電路
三相交流:主に工業用にAC100/200Vなどが有ります。
(磁気接触器+サーマルリレー)電磁開閉器のセットで設置が良いと思います。
モーター、コンプレッサー等のON/OFF制御が出来ます

保護回路については、各部品メーカーの推薦、周辺回路等の影響を考慮により付加有無を判断します。今回、保護回路は割愛いたします。

部品の説明

各部品について、簡単な説明をします。

電磁開閉器

  • 電磁開閉器は、電磁接触器とサーマルリレーで、構成されています。
  • 電磁接触器は、磁気コイルの作用で主接点を開閉して、一次側から二次側の回路へ電源を供給します。
  • 上位側(PLC、マイコン)から電磁接触器の一次側と二次側の接点/非接点制御を行います。接点/非接点状態を上位に報告する事も出来ます。
  • サーマルリレーは、電動機(モータ)を過負荷(過電流)による焼損から保護するために使用します。
  • サーマルリレーは、バイメタルにてを過負荷(過電流)検出させ電路を遮断します。
    (過電流値を調節出来ます。)
  • サーマルリレーは、上位側に過負荷状態を報告する事ができます。

フォトリレー

  • 半導体の開閉部品、AC/DCに使用可能です。
  • 機械式リレーと比べ、安価、サイズは小さく、振動・衝撃に強い、機械的な接点が有りません。
  • 低ノイズ、リレー間の磁気干渉による、基板上の配置制限はありません。
  • 基板上に、多く実装可能です。
  • C接点部品は有りません。

Tr:トランジスタ

  • 基板上に、NPNトランジスタとフォトリーの組み合わせで、駆動部品(モーター)をON/OFF制御できます。(PNPトランジスタもあります。)
  • 本回路では、トランジスタのスイッチ ON時、フォトリレーの発光側は、OFFとなります。
  • Trのコレクター電流:IC=百mA程度です。

モーター

  • 主に工業で使用されます、三相交流200Vのモーターです。
  • 自己始動性、信頼性、経済性に優れているため、産業用駆動装置として広く使用されています。
  • コンプレッサー、ポンプにも同じ回路で、ON/OFFの制御が可能です。

回路説明

マイコン・トランジスタ・フォトリレーの発光側の電源系は、VDD2/GND2です。
電磁開閉器・フォトリレーの受光側の電源系は、VDD1/GND1です。
(グランドは、共通にする事も可能です。)

上位側(PLC,マイコン)からA-input端子に”ハイ”をドライブすると、磁気接触器の磁気コイル(A1,A2)とサーマルリレーのB接点(95、96)が通電になり、三相交流の一次側から二次側に通電してモーターを駆動します。(この時、磁気接触器の磁気コイルとサーマルリレーのB接点リレーの通電により、AND条件(正常立上がり)が成立した事になります。)
この時、A-output端子は、”ハイ”となり磁気接触器のリレー(13、14)閉(三相交流の一次側と二次側が通電)となった事を、上位側に報告する事が出来ます。

A-input端子に”ロー”をドライブすると、磁気接触器の磁気コイルは非通電となり、三相交流の一次側と二次側の電路を遮断してモーターは停止します。
この時、A-output端子は、”ロー”となり磁気接触器のリレー開(三相交流の一次側と二次側が遮断)となった事を、上位側に報告する事が出来ます。

モーターの異常動作等により、過負荷(過電流)となった場合、サーマルリレーのB接点が開、磁気コイルは強制的に非通電となり、三相交流の一次側と二次側の電路を遮断して、モーターは停止します。
この時、B-output端子は、”ハイ”となりサーマルリレーのA接点(97,98)閉(三相交流が過電流)となった事を、上位側に報告する事が出来ます。

モーターの回転数を調整する事は、本回路では出来ません。

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