以下は、私が思う、過去に電気関係の仕事をしていた、技術者の個人的なつぶやきです。
私は、55歳の時、会社都合により電気関係の会社を退職しました。
私が入社時(1981年)では、「終身雇用」が通常でした。
運が良かったのかも知れませんが、ある程度希望に添った電気の会社に就職する事が出来ました。
入社後、会社の教育も何度か有り、創業場所の研修も行われました。
”会社理念”を覚えさせられた記憶があります。
今では、流行らない”愛社精神”、”少しでも良い物を作り、社会に貢献”、 この頃から、身についてきたと思います。中には、ただ、”稼いで、いい暮らしをしたい”と思った人もいたかもしれません。
いずれにしても、雇用が決まっていて、生活基盤が安定いる方が良いと考えた人が多かったと思います。
昨今では、派遣、転職のCMが多く流れ、技術力(個人力)がある者は、これを活用する傾向があるかと思われます。多様性の時代となり、終身雇用の考え方がおかしい様に思われているのかもしれません。しかし、私の考えは今も変わっていません。
日々の技術設計に専念していると、転職を考える暇は無いと思うからです。
私は、退社後、地元に帰ってきて55歳で仕事を探しましたが、自分に合った就職先がなかなか見つかりませんでした。(私の実力が無かったのかもしれません。)
私の予定とは違って、派遣を経由して地元の企業で電気関係の職種で働く事が出来ました。
私の考えですが、電気の設計する時、仕様に合った製品を設計するのは当たり前ですが、設計・開発中には、こう設計すれば、より良くなる事や、新しい設計手法や新回路。
また反対に、ここはあまり良くない回路になってしまった。「改善版は、別設計をしよう。」
この仕様とは関係ないが、新しい回路や方式が幾つか生まれる事も有ります。
この小さい一つ一つ(点)の積み重ねが、個人や会社のノウハウ(線)になると信じています。そして、この線は、技術者間の繋がり・拡大と信頼にも関係します。
以前に比べて、電気関係の開発支援ツール(ハード、ソフト)の発展により、開発時間短縮、コスト低減、設計者技術力の低下(支援ソフトが出来てしまう、又はこれを補う)となり、点・線が軽視される傾向は有ると思います。
派遣社員である技術者には、この点を派遣先でアピールする事が自分にプラスになるのか?、又は自分の中のスキルとしてしまうのか?。個人中心の考えとなっている様に思われます。
(技術者間の線とする事を消極的にします。)
(派遣先の会社自体が、それを求めていないことも、あるでしょう。)
この新しいスキルや技術を別会社で、発揮すればいいと考える方もいると思いますが、現実はなかなか難しいと思います。細かい話ですが、技術自体、各会社の伝統による技術の基盤に会社間で微妙に違いが有り、派遣社員が新しい案を実現するのに、違いを説明・納得させるために、大きな負担となるケースが多々あ有ります。「技術者は、有る面 保守的です。」
何+年か前に「一番じゃ無ければいけないんでしょうか」と言って有名になった国会議員がいましたが、私はその時、「日本では、少なくても一番を目指さなければいけないです。」と言いたかったです。”一番を目指す”姿勢が、点と線を生むと思うからです。
日本製半導体製品が、少なくなったのは、この発言が象徴しています。
世界の経済的な流れの影響も大きいことは否定しませんが!
一度失われた半導体技術の線・繋がりを取り戻すには、何年掛かるでしょうか?
(本記事は、多様性の時代(派遣・転職)を否定するつもりではありません。国や技術者は、技術の点・線・繋を大切にして欲しいと思う気持ちからの記事です。)
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